住職のひとりごと18

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住職のひとりごと18

2021/05/01

住職のひとりごと18

待つこと

今朝の朝日新聞(令和3年5月1日付)に、教育ジャーナリスト・おおたとしまさ氏が「塾が教えない中学受験必法」というコラムで「やる気を引き出すために待つのではない 親も少しずつ待てるようになればいい」と書いておられます。以下に少し長いですが要約しながら引かせていただきます。

 

「子育てで大切なのは『待つ』ことだと言いますが、そう言うと『いつまで待てばいいんですか』と苦虫をかみつぶしたような表情で質問されることがあります。受験はタイムリミットのある競争だから、『待ってるうちに本番が…』と不安になるのももっともです。でも、親のその心理状態は子どもからすると全然待ってくれていないのです。口で言わないだけで、表情、態度、普段の会話の端々から『早く!』という非言語的メッセージがあふれ出しています。

『待つ』とは、『もう焦らない』と覚悟を決めることです。仮に入試本番までその時がやってこなかったとしても『それがこの子のスタイルなんだ、それで入れる学校に行けばいいんだ』と腹をくくること。『ありのままを受け入れる』と表現してもいい。

やる気を引き出すために待つのではありません。ありのままを認めれば子どもが自らやり始めるのでもありません。そこを理解していないと、待てば待つほど不安になり、ある時限界を超えて『いつまで待ってもやらないじゃない!』と大爆発し、そこまで待った努力すら水の泡です。

親にとって待つことはまるで荒行です。でも大丈夫。最初から上手に待てる親なんていません。親も少しずつ成長して、待てるようになればいいんです。そうすればいつか悟りの境地が見える『かも』しれません。」(文責 住職)

 

待つこと、認めること(=忍)、いい意味で諦めること(=明らめること)の関係がよく伝わってきます。

また、アドラー流に言うなら、(受験勉強を)頑張るかどうかは子どもの課題、待てるかどうか(認められるかどうか)は親の課題、とも言えます。

何よりも大切なのは親子の関係性を構築していくこと。ありのままを認める、はその第一歩です。